Windows10は年二回の大型アップデートの適用が必要、という運用が始まって早五年が経過しました。 ちなみに、個人的にはLTSCを通常利用のOSとしてはオススメしません。本記事に記載の制約が普通にWindows10を利用する人には分りにくいことから、やはりMS推奨の構成で利用するほうがいいんじゃないかという結論に達しています。 Windows10のLTSCバージョンはリリース後10年のセキュリティアップデートのサポートを受けられるEnterprise
Editionの一バージョンということで、ライトな使い方には心強い存在です。 以前は 2016 LTSBという名称でしたが、 その次のバージョンではLTSCという名称に改称されました。 追記(2021-11): 2021年11月に新しいWindows10 LTSC 2021がリリースしていますが、従来の10年サポートから期間が短縮され、5年サポートに変更されています。 ただ、通常のWindows10(いわゆるSACもの)より制限は当然厳しいわけでして、様々な制約を乗り越えて(回避ともいう)実用出来るレベルに到達しそうです。 以前に blog.treedown.net ここで調べていた内容に加えて、主な制約を自分用にまとめました。 ちなみに最近知ったのですが、サブスクリプションのWindows10 Enterprise E3/E5ではLTSCは使えないので、ボリュームライセンス版Windowsライセンスを購入し、ISOとプロダクトキーの提供を受けないといけない(つまり昔ながらのWindowsの購入方法でしか使えない)という購入方法の制限もあるようです。 インストールするPCの搭載CPUに制約があるPCを購入するとき、CPUは常に最新になっています。(中古での購入を除く) https://docs.microsoft.com/ja-jp/windows-hardware/design/minimum/windows-processor-requirements 最新CPUを利用するに当たって、LTSCのCPUの制約がPC調達の際に足枷になってくることもあります。 そして去年のLTSC 2019(Ver.1809相当)では、Intel第10世代までのプロセッサが対象と記載があります。「Windows 10 Enterprise LTSC 1809」欄に「以下の第 10 世代までの Intel プロセッサ」と記載(※AMDは「以下の第 7 世代までの AMD プロセッサ」と記載)があることが見て取れます。 つまりこれより新しいCPUでは動作しませんよ。ということになります。最新CPU搭載のPCでLTSC 2016のWindows10インストールを試してみたら、黒い画面のままでOSインストールが開始しませんでした。(※サポートされないだけで動作する、とかいうレベルではなく、そもそもOSインストールが動作しませんでした。) それとは別に、古すぎるCPUもなにげに使えなくなっています。LTSC 2019をCoreDuo T2700搭載のThinkPadで試しにインストールを実行してみたら、上述と同じように黒い画面のままでOSインストールが開始しない状況になりました。試しにとLTSC 2016のインストールメディアだと、問題なく最終ステップまでインストールを完了させることができたので、LTSC 2019ではCoreDuoくらい古いと動作しないんだな、という結論に達しました。 ちなみにSAC(年二回の大型アップデートを適用するタイプ)のWindows10だとLTSCの制約はないことになります。 インストール可能なOfficeに制約があるLTSCの制約の大きな二つ目がインストール可能なOfficeの制限です。 Officeは現在、「Office 365 Pro Plus」と従来からあるボリュームライセンス版のOfficeの二種類がありますが、Office 365側のOfficeアプリケーションはデスクトップ版のアプリであってもLTSCでは利用することが出来ないように改定されています。 そして去年のリリースであるLTSC 2019(Ver.1809相当)では、Office 2019をサポートしています。 https://docs.microsoft.com/ja-jp/lifecycle/announcements/office-2019-on-premises 要するに、LTSCのWindows10がリリースしたタイミングでリリースしている最新のボリュームライセンス版のOfficeしかサポートしないようになっている、という覚え方をしておけば概ねハズレない感じです。ただOffice 2019は延長サポートフェーズが従来より短縮されてOffice2016と同じタイミングで更新プログラムの提供が終了してしまうので、入替にあたって考え方(費用対効果を考えると)がちょっと難しくなっています。(2019はスキップでいいかどうか) つまり OSサポート期限と他のサポート期限の相関関係について - treedown’s Report ここで考えていたように、Windows10 LTSC(LTSB) 2016に対してボリュームライセンス版のOffice2016をインストールする、というようにきっちり同一世代のWindows10とOfficeのペアにする運用ならいけそう。 Office 365サブスクリプション(いわゆるOffice 365 Pro Plus)だと、どんどんOfficeのバージョンが進んでいってしまうので固定的なLTSCには合わないということになります。(そもそも、二年前にサポート対象外となってしまって、今では使えなくなっていますが) 使いドコロとても小規模な組織(や個人)でWindows Serverがオーバースペックだ、という場合、Windows Serverの代替としてLTSCのWindows10を使用するというのは選択肢の一つかなぁと。 元々Windows Serverにそんなアプリケーション大盛りで稼働/運用する環境ってなんか違うな、という感覚がありますし、Windows ServerというOS自体がそもそもLTSCなので、20アクセスまでという制限が容認できる小規模な組織ならCAL不要というメリットもあって、Windows10 LTSCをWindows Serverの代替として利用できることもあるかも。(例えばファイルサーバ/プリンタサーバのような共有資源の提供とか、IISとか、クライアントHyper-VでLinuxゲストを仮想化するとか) Windows Server Essentialと比較検討するようなレベルで、Essentialより小規模ならWindows10 LTSCという感覚があります。ServerOSを普段使いのOSとして使うのか?という。 LTSCの制限事項まとめざっくりとまとめてみました。
いざ使おうとしたら、使えなくてガッカリするかもしれないから、分っている人以外はLTSCは使わない方が良いよ、って方々で言われているのは、こういうサポート環境の問題ゆえなのかもしれません。 Windows10 IoT Enterpriseのサポート期間は?アップデートごとにサポート期間が設定されており、現在、Windows 10 IoT Enterpriseは30カ月、Windows 11 IoT Enterpriseは36カ月のサポート期間が定められています。
Ltsc 2022のサポート期間は?次期LTSC(LTSC 2022)は2021年の下半期にリリースされることが発表されており、このニュースリリースでは、そのLTSCから、サポートが5年間に縮まることも発表されています。 この5年への変更はLTSC 2022からの変更点であり、おそらく2027年12月14日までと考えるのが妥当でしょう。
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