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内科医・公衆衛生医師 成田亜希子医師 厚生労働省が3年ごとに発表する「患者調査」によると、高血圧と診断、もしくは疑われている患者さんの数は約1,011万人(平成26年度)。25歳以上の成人約3人に1人が高血圧の可能性があります。高血圧が続いてしまうと、脳卒中や心臓病などのリスクが上がるため、早期治療が必要です。 治療法として、生活習慣の見直しとともに、薬を服用するケースが多いものの、血圧を下げる薬にはたくさんの種類があり、それぞれの特徴が異なります。今回は、高血圧の治療薬について、その作用や副作用、値段について詳しくまとめます。 降圧剤とは?高血圧は、生活習慣病の1つであり、軽症の場合は日常生活の見直しから治療が始まります。しかし、生活改善を行っても、血圧の安定が見られない場合、降圧剤が処方されることになるでしょう。 降圧剤とは、その名のとおり、血圧を下げるために処方される薬です。高血圧薬、降圧剤とも呼ばれます。降圧剤にはいくつかの種類があり、一時的に血圧を下げるものから、継続して飲むことで、血圧をコントロールするものなどがあり、いずれも血圧不安定による合併症リスクを下げるために使用するものです。とくに、脳や心臓、腎臓などへの影響が大きく、高血圧が続くと大きなダメージを与えてしまいます。血圧を下げることだけが目的ではなく、高血圧の延長線上にあるリスクを知ったうえで、降圧剤の必要性を理解しましょう。 降圧剤の主な仕組み降圧剤は多くの種類があるため、患者さんの状態やその他の病気の有無に合わせて処方されます。薬によって作用する仕組みは異なるものの、大きく分けて以下のような5つのタイプに分かれています。
どれか1つのタイプを飲み続けるケースもあれば、状態に合わせて仕組みの異なる薬を併用したり、最初からいくつかの種類を混ぜ合わせたものを飲んだりするケースもあります。とくに、高血圧以外にも病気がある場合、使ってはいけない薬や、使用量やタイミングなどを慎重に確認しなければいけない降圧剤もあるため、薬が処方される前に、必ず自分の病気やこれまでの健康状態を医師に伝えましょう。 降圧剤の代表的な種類と一覧高血圧と診断された際に処方される降圧剤として、代表的な7つのタイプがあります。それぞれの特徴や副作用について具体的に見ていきましょう。 【高血圧の治療薬について】種類一覧・値段・副作用など総まとめカルシウム拮抗薬動脈の血管壁にカルシウムイオンが多く流れ込んでしまうと、血管が収縮してしまうため、高血圧を招きやすくなります。そうした働きを抑え、血管を拡張させる作用を持つのが、カルシウム拮抗薬です。製品名としては、アダラート、セバミット、アムロジピン、ノルバスク、カルスロット、カルブロック、ランデルなどが挙げられます。 ◆ 副作用 ◆ 特徴 ◆ 使い方 ◆
値段 ACE阻害薬(アンジオテンシン変換酵素阻害薬)血圧が上がってしまう理由の1つに、血圧を上昇させるホルモン「アンジオテンシン」の影響があります。アンジオテンシンの産生を抑えるのが、ACE阻害薬です。製品名としてレニベース、タナトリル、コバシル、エースコールなどが挙げられます。 ◆ 副作用 ◆ 特徴 ◆ 使い方 ◆ 値段 ARB(アンジオテンシンII受容体拮抗薬)ARBは、血圧を上げるホルモン「アンジオテンシン」の作用を邪魔することで血圧を下げる作用を持つ薬です作用するところはACE阻害剤と似ていますが、副作用が少ないという違いがあります。代表的な製品にはミカルディス、ニューロタン、オルメテックなどが挙げられます。 ◆ 副作用 ◆ 特徴 ◆ 使い方 ◆ 値段 利尿剤利尿剤は、腎臓に働きかけて水分の排泄を促すことで血圧を下げる作用を持つ薬です。製品名としては、アルダクトン、ナトリックス、ラシックス、バイカロンなどがあります。 ◆ 副作用 ◆ 特徴 ◆ 使い方 ◆ 値段 α1(アルファワン)遮断薬自律神経に作用し、血管の収縮を抑えることで血圧を下げてくれるのがα(アルファワン)遮断薬です。降圧作用だけでなく、糖や脂質の代謝にも良い影響を与えるとされています。代表的なものとして、カルデナリン、デタントール、バソメット、エブランチルなどがあります。 ◆ 副作用 ◆ 特徴 ◆ 使い方 ◆ 値段 β(ベータ)遮断薬β(ベータ)遮断薬は、α1阻害薬と同様に、自律神経に働きかけて血管の収縮を防ぐ作用を持つ薬です。主な製品として、テノーミンや、メインテート、アドビオール、アセタノールなどがあります。 ◆ 副作用 ◆ 特徴 ◆ 使い方 ◆ 値段 中枢性交感神経抑制薬(中枢性α2アゴニスト)もうひとつ、自律神経に作用し、末梢血管の収縮を抑制する降圧剤があります。中枢性交感神経抑制剤(中枢性α2アゴニスト)と呼ばれ、上述したような降圧剤が使用できない場合や、いくつかの降圧剤を併用しても血圧のコントロールができない場合に選択されています。カタプレス、ワイテンス、アルドメットが主な製品です。 ◆ 副作用 ◆ 特徴 ◆ 使い方 ◆ 値段 高血圧症で処方される降圧剤ランキング高血圧症で処方される様々な種類の降圧剤をランキング形式でご紹介致します。 1位 2位 3位 降圧剤を長期間服用する場合の注意点高齢になるにつれ、心機能や腎機能などの生理機能が徐々に低下していくため、数十年服用し続けている方は、処方を始めた頃よりも薬の効き方が変わり、副作用がでやすくなることがあります。 副作用を避けるために投与量を減らしたり、薬自体を変更することもできますので、異変を感じた場合は速やかに医師に相談しましょう。 降圧剤にかかる費用を安くするには?降圧剤は一度処方されたら、血圧コントロールが良好だと判断されるまで、一定期間飲み続ける必要がありますので、日々の健康管理にもお金がかかってしまいがちです。できるだけ薬の費用を減らしたいのであれば、以下のようなポイントを見直してみましょう。 薬局選び調剤薬局で受け取る薬の金額は、単純に薬代だけが計算されたものではありません。薬そのものの料金に加えて、調剤料などがかかっています。薬局によっては、かかりつけ薬剤師指導料や管理指導料などが加算されることもあり、同じ薬の処方箋であっても、支払額が違う場合もあります。毎月の薬代を安くしたいと考えるのであれば、薬以外の負担分を減らす工夫も必要です。近隣の調剤薬局に確認し、費用がかかりにくいところで薬を受けとりましょう。 配合剤代表的な降圧剤の値段や特徴を上述しましたが、あくまでもそれぞれ単体での情報であり、いくつかの薬を併用するとなると、その分費用負担が大きくなります。高血圧治療では、複数の薬を組み合わせることも多いものの、それぞれの成分が一緒になった配合剤を選べば、費用が安くなります。ただし、自分の意志で変更することはできず、処方する医師によって選択肢が変わります。長く飲む薬だからこそ、費用面についても担当医に相談してみましょう。 ジェネリック医薬品薬にかかる費用を大きく減らしたいのであれば、ジェネリック医薬品を使用するのもおすすめです。先発品と全く同じ製造法で作られたオーソライズドジェネリック(AG)は、他のジェネリック医薬品よりもやや高いものの、先発品より安く購入できます。薬が変わることに不安を感じるのであれば、オーソライズドジェネリックを選択するのも良いでしょう。 まとめ:降圧剤を正しく使って、健康管理に役立てよう降圧剤といっても、多くの種類があり、副作用や値段が異なります。症状や進行状況によって、複数の薬が処方されるケースも多いため、自身での服薬管理を行いながら、正しく使用するようにしましょう。 監修者内科医・公衆衛生医師 成田亜希子医師 東京都出身、弘前大学医学部卒。青森県弘前市在住の医師。
抗ヒスタミン薬の副作用は?主な副作用や注意点. 精神神経系症状(眠気など) 抗ヒスタミン作用により脳の活動が抑えられ眠気などがあらわれる場合がある ... . 消化器症状 口渇、吐き気、便秘などがあらわれる場合がある. 痙攣誘発に関しての注意 本剤中の全ての薬剤でおこるわけではなく、当てはまる一部の薬剤においても頻度は非常に稀とされる. Β遮断薬の副作用はどれか?β遮断薬はβ受容体遮断作用により血圧、心拍数などを抑え、高血圧、狭心症、頻脈性不整脈などを改善する薬として使われる。 副作用として徐脈、気管支喘息の悪化などの症状がある。
転倒転落のリスクの高い薬はどれか?正解! 1→降圧薬による血圧低下は転倒・転落の原因となる。 そのほかの薬剤では、抗不安薬、睡眠薬なども転倒・転落のリスクが高い。
モルヒネの副作用でみられるのはどれか?モルヒネの副作用は呼吸抑制、便秘などがある。 聴力低下はストレプトマイシンなどの副作用である。
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